「除草剤を撒いたら、その後コケが大量発生してしまった…」そんな経験ありませんか?実は農家さんなどの間では「除草剤を撒くとコケが増える」と言われているぐらいなんです。除草剤自体にコケの成長を促進させる成分は入っていませんが、その理由についてご説明します。また、コケが本当に除草剤で枯れないのか実際に試してみました!
実際にギンゴケに除草剤を散布してみました
「苔は普通の除草剤では枯れない」と言われていますが本当にそうなんでしょうか?検証のために実際に除草剤を散布して観察してみました。
使用した除草剤
使用したのはコチラの除草剤です。近所のホームセンターで500ml200円程で売られていた濃縮タイプのごく一般的な除草剤です。最近の除草剤ではメジャーになりつつあるグリホサート系のものですね。グリホサート系除草剤は「葉から入って根まで枯らす」タイプの遅効性の除草剤で、雑草に良く効くうえ人体に優しいということで広く流通しているメジャーな除草剤です。(商品名とメーカー名は伏せさせていただきました)
雑草を枯らすのに、みんなが使うごく一般的な除草剤を選びました。この除草剤を、裏面の使用方法通り水で50倍に希釈して使用していきたいと思います。左のスプレーは希釈液を入れるためのボトルです。
除草剤散布の様子
コチラが除草剤散布前のギンゴケの様子になります。フサフサした緑色のコケが沢山生えています。コチラの元気なギンゴケに除草剤を撒いていきます。
除草剤を水で50倍に薄め、ボトルに入れ替えてスプレー噴霧していきます。しっかり枯れるよう祈って気持ち多めに撒いておきました。一般的にギンゴケに除草剤は効かないと言われていますが実際どうなるのでしょうか?結果が楽しみです。
除草剤散布から2日後のギンゴケの様子
除草剤散布から2日後の様子です。ほとんど変化が見られません。しかし、グリホサート系の除草剤は遅効性のため、効果が出るまで通常1週間~2週間ほどかかります。そのため、焦らずじっくり待とうと思います。
除草剤散布から3日後のギンゴケの様子
3日後の様子。夕方に写真を撮ったので全体的にオレンジ色に見えますが、ギンゴケ自体には特に変化は無さそうです。
除草剤散布から6日後のギンゴケの様子
6日後の様子。写真左中央に生えている雑草の元気が無くなってきました。明らかに除草剤が効いているのがわかります。周囲の雑草は枯れ始めましたが、ギンゴケには変化なし。
除草剤散布から7日後のギンゴケの様子
除草剤を散布してから丁度一週間です。そろそろグリホサート系除草剤の効果が出始める時期ですが、ギンゴケには変化なし。周囲の雑草は順調に枯れています。
除草剤散布から9日後のギンゴケの様子
除草剤散布から9日後の様子。周囲の雑草が完全に枯れました。写真左中央の赤丸で囲んでいる雑草が枯れているのがわかります。
コチラがアップで撮った写真になります。雑草は完全に枯れていますが、ギンゴケは青々として元気なままです。
除草剤散布から10日後のギンゴケの様子
除草剤散布から10日経過の様子。特に変化は見られません。
除草剤散布から16日後のギンゴケの様子
除草剤散布から16日後の様子です。二週間が経過しましたが、ギンゴケに特に変化は見られません。
除草剤散布から20日後のギンゴケの様子
除草剤散布から20日経過後の様子です。周囲の雑草は完全に枯れているにもかかわらず、ギンゴケは青々として元気なままです。除草剤は完全に効果がないものとして観察を終了することにしました。
結論
雑草用の除草剤はギンゴケには全く効果が無いことがわかりました。周囲の雑草は綺麗に枯らすことができましたが、ギンゴケに変化はほぼ見られませんでした。
ギンゴケにはなぜ除草剤が効かないの?
昨今の除草剤は安全性を考慮して植物のみに作用するように作られています(ヒト、動物にはほとんど無害)。そのため雑草のみを枯らすことができるのですが、ギンゴケなどの苔は雑草とは体の構造が全く異なるため、雑草用の除草剤が効かないのです。(苔類は過酷な環境に耐えられるように、雑草よりも単純かつ強い構造になっています。)
「除草剤を撒くとコケが増える」という噂がありますが、地表のライバルとなる雑草が無くなるためギンゴケが繁殖しやすくなり、結果的に苔類が増えてしまうためです。
ギンゴケはどうやって枯らせば良い?
ギンゴケには苔専用の除草剤を使用しましょう。前述した通り、雑草とは構造が全く異なるため苔専用除草剤が効果的です。苔が生えると困るプロの現場(田んぼ、畑、商業施設の石畳、駐車場、ゴルフ場など)では、ギンゴケを駆除するために専用除草剤が使用されています。
筆者も色々な苔専用除草剤を試してみましたが、その中でもゼニゴケ専用コケそうじという除草剤がオススメです。ゼニゴケ専用と書かれていますが、ギンゴケにも良く効きます。コケそうじはバッチリ枯れるのはもちろん、即効性があるのが大きなポイントです。筆者も実際撒いてみましたが3日程でギンゴケが枯れました(他社製品だと枯れるまで一週間~二週間かかるものもありました。)実際に撒いてみた様子を↓の記事でも紹介しています。
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※広い場所に使う場合は濃縮タイプ、お試しで使いたい場合はスプレータイプをお選びください。濃縮タイプはスプレータイプと比べて10倍ほどの面積に使えます。
※ゼニゴケ専用という名前になっていますが、ギンゴケにも優れた効果を発揮します。