植木の管理で特に重要なのが「水やり」です。潅水(もしくは灌水)とも呼ばれたりしますね。成長した植木は水やりをする必要がほとんどありませんが、苗木や移植後の樹木にはたっぷりと水をあげる必要があります。乾燥し過ぎると最悪枯れてしまうこともあるのです。今回は正しい水やりの方法をご紹介します。
水やりが必要なのは植え替え直後!
植木に特に水やりが必要な時期は、「苗木」そして「植え付け直後」です。私たちが購入してくる樹木はほとんどが苗木のはずですので、植え付けたら当分は水やりを多めにして根と土が早めに密着するようにします。特に移植後一年は水やりに気を配り、多めに撒きましょう。
春の水やり
寒さが落ち着き、植物が目覚める季節です。徐々に根が水を吸うようになりますので少しずつ水やりの量を増やしましょう(急に水をあげても根が水を吸わず、過湿の原因になりますので徐々に増やすのがオススメ)。
基本的には土の様子を見て、白く乾燥しているようでしたらたっぷりと水をあげましょう。晴天が続く日は注意して観察してください。
夏の水やり
移植後の初めての夏は要注意です。猛暑で植木が弱ってしまい枯れてしまうパターンが多いのです。晴天の日は毎日水やりをしましょう。
昼間に水を撒くとほとんど空気中に蒸発してしまうので、夕方以降に撒くのがオススメです。また、葉にかかるように水を撒くと水滴がレンズの役目をはたして日光で葉が焼けてしまいます。根本の土にかかるように水やりをしましょう。
また、ホースから出る最初の水は日光で高温になっている場合があります。熱くなったホースの水を植木にかけると傷んでしまうので、冷たい水が出るまで待ってから水やりをしましょう。
秋の水やり
暑さが落ち着き、徐々に水を与える数量が減ってきます。気温に合わせて少しずつ減らしましょう。春と同様に、土が白く乾燥していたらたっぷりと水を与えます。晴天の続く日は注意しましょう。
冬の水やり
植物が休眠状態に入るため、ほとんど水を吸わなくなります。植え付け直後を除いて水やりをする必要はありません。植え付け直後に水をやる場合は、日中にしましょう。気温の低い朝と夕方に冷水を与えると根が傷む恐れがあります。
二年目以降は
樹木は成長するにしたがって根が張り、水を吸う力が強くなるので一年目ほど気を配る必要はありません。ただし、春秋の晴天が続く日には3~4日おきに水を与えましょう。夏場は特にダメージを受けやすいので2日に1回撒くのが良いでしょう。冬場の水やりは必要ありません。
正しい水やりの方法
基本的には「一度の水やりで地中深くまで届くようたっぷり与える」のが理想的です。また水をジェット状にして勢いよくかけるのはやめましょう。表土がえぐれたり、枝が折れたりして傷む恐れがあります。
小さな木や根の貧弱な植木にはジョウロで丁寧に水をかけます。中・大木にはホースから静かに水を流します。ホースから水を出したまま地面に置き、根元の地面に水を流します。時々ホースの位置を変えて周囲の土全面に水を与えます。土全体に水がよくしみ込み、表面にうっすらと水が溜まるようになってきたら十分でしょう。
面倒だからといって「水をちょっとだけ与える」のは逆効果なのでやめましょう。少量の水だと地中深くまで浸透しないため、根が浅い所に集中してしまいます。その結果生育不良になったり、強風で倒れてしまう原因になります。
季節ごとの注意
また、夏場の水やりは葉にかからないように注意しましょう。葉にかかってしまうと、水滴がレンズの役割を果たして強い日差しで葉が焼けてしまいます。また、日中に水やりをするとほとんど蒸発してしまいますので、夕方以降に散水するのが良いでしょう。
冬場は朝・夕の水やりを控えて日中に行いましょう。気温の低い時間帯に水を撒くと冷水になり、根が傷む恐れがあります。
灌水の必要な樹木
ここまで一般的な樹木の水やりについて解説してきましたが、当然樹木の種類によって水を好むものとそうでない物があります。
水やりが沢山必要な樹木
ヤツデ、アオキ、ユズリハのような常緑で葉型が大きく、光沢のある緑の葉の植木は水を多めに必要とします。また水湿地を好む、アジサイ、スギ、ミズキ類、シャクナゲ類も同様です。
【水湿を好む樹木】
- イヌマキ
- スギ
- メタセコイア
- アスナロ
- シダレヤナギ
- ポプラ
- クルミ
- ハンノキ
- クヌギ
- イチジク
- ナンテン
- クスノキ
- アジサイ
- ユズリハ
- ナツメ
- ミズキ
- アオキなど
少量の水やりで済む樹木
反対に乾燥を好む樹木もあります。クロマツ、アカマツ、サクラ、サルスベリ、コナラなどは水やりが少なめが良いでしょう。
【乾燥に強い樹木】
- サクラ
- ソテツ
- カラマツ
- アカマツ
- ゴヨウマツ
- コナラ
- ニセアカシア
- サルスベリ
- アベリア
- クマザサなど
まとめ
今回は植木の正しい水やりについて解説しました。苗木の時、または移植直後は特に水やりが必要になり、十分に根が張るまでたっぷりと水を与えましょう。春・秋は地面が乾燥しているようだったら小まめに水を与えましょう。夏場の乾燥はダメージが大きいので毎日水を与えると良いでしょう。反対に、冬場は根が水を吸わなくなるのでほとんど与えなくても大丈夫です。二年目以降は根が発達して水を吸う力が強くなりますので一年目ほど気を使わなくても大丈夫です。
- 苗木、移植直後は根が発達していないので、特に水やりが重要!
- 移植後一年目の夏は特に注意!毎日水を与えましょう。
- 二年目以降はそこまで水やりをしなくても大丈夫です。
- 「一回の水やりで地中深くまで浸透するようにたっぷりと与える」ようにしましょう
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